大切なモノ

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二階の部屋に上がると、そこは、彼と凪の部屋になっているところだった。 …けれど様子がおかしい。 部屋の隅で、小さくなっている凪…。 …その前に立って、凪を見おろしている彼の母…。 『…凪?』 私がそう呼ぶと、凪は、泣きながら私の胸へと飛び込んできた。 『…どうしたんでしょうか?』彼の母親は、バツの悪そうな顔をして、応えらしい応えを言ってはくれなかった。 …その日、私は凪を、実家へと連れ帰ってきた。 …だけど彼は、凪を迎えにくることはなかった。 …それから、ずっと…。
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