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私の母は全てにおいて、めちゃくちゃな人だった
人の話を聞かない
人の意見も聞かない
もちろん私の話も聞く訳がない
ある日、買い物に行った時の会話
『お母さん、カップヌードル食べたい!』
「無視」
『ねぇ!買って!』
何度もしつこく纏わり付き、ようやく母の口が開いた
『お?』
「カップヌードル?ダメダメ!」
『何で?』
もしここで、体に悪いからとか、ご飯が食べられなくなるからとか、もっともらしい意見なら、私も素直に諦めただろう
しかし
母の言葉は…
「カップヌードル?あんなヌルヌルした物が食べたいの?」
『えっ…ヌルヌル…』
「そうそう、ヌルヌルのヌメヌメ」
『……いらない』
その時、私はまだ小学生で、その時は何でも信用していた
そして…
カップヌードルの正体を友達の家で知ったのは、中学の時だった
私は止めた
ヌルヌルを親友に食べさせる訳にはいかない
しかし…
蓋を開けた瞬間
私が固まったのは言うまでもない
友達に散々笑われた私は、母に言った
『ちょっと!何がヌルヌルな訳?』
母はキョトンとしていた
『だから!カップヌードルだよ!』
ここで、そうだったの~、と言ってくれれば私はまだ救われたのに
一言
「なにそれ?」
でした
母の記憶からカップヌードルの事は全て排除されていたのです
信じていたのに…
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