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恵美理はそれを羽織ると、袖に腕を通した。
黒一色に染まったそれは、圭介が作らせた特注品のコートだった。
耐熱、耐水性に優れ特殊な生地を使っているので簡単には破れない。
何より『吸血鬼』の戦装束は黒だと昔から決まっている……と狗羅が教えてくれた。
「圭介は『気弾銃』だけなの?」
「はい、まだ『あれ』は開発途中らしいんで……残念です」
『そろそろ日も落ちてくる頃だ。行くぞ』
狗羅の声で、恵美理は圭介の腕を掴み外へと飛び出した。
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