3443人が本棚に入れています
本棚に追加
「今度はこっちだね」
その後ろからメメが手の甲を恵美理に向けると、先に分銅のついた鎖が恵美理に向かって放たれた。
恵美理はとっさに避けると、もう一度焔弾を放った。
『無駄だよ』
二度目のネネの声が響くと、また同じように『焔』が消えた。
『まさか……『吸収』か!?』
二人は笑みを浮かべるだけで答えることはせず、再び鎖分銅を恵美理に放つ。
「圭介!!」
その声の意味を圭介は理解し、すぐに狗羅と共に下がる。
恵美理は分銅を避けると一気にメメに向かって走り出し、距離を詰めた。
「これで!!」
拳を振り上げた恵美理の前にネネが立ち塞がると、またしても両手をかざした。
物理攻撃も防ぐのかと思った瞬間、ネネは不適な笑みを浮かべた。
「ヤバ……」
身の危険を感じた恵美理は、躊躇うことなく下がった。
僅かに遅れてネネの両手から放出されたのは、恵美理の『焔』だった。
零距離から反射で避けるも完全には避けきれず、耐熱であるはずのコートの端を焼いてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!