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自分が質問したのだから、逆に聞かれることくらい想像していたけど明らかに動揺してしまう。
でも本当は、ちょっと聞いて欲しいから聞いたのかもしれない。
「うーん、好きっていうか、たまに一緒に帰ったりするだけで別に好きってわけじゃないんだ」
亜紀は瞳を大きくした。
「それってもう付き合ってるんじゃないの!?」
友理奈は照れて必要以上に否定した。
「違う違う!付き合うって話なんかしてないもん。それに私は付き合ってって言われないのに付き合うなんて嫌なの」
「なるほどね~で、誰?そのたまに一緒に帰ってるヒト」
「え~まだ別に彼氏ってわけでもないし、そこまで好きかも分からないんだよね」
「ふ~んじゃあヒント!サッカー部、バレー部、野球部にいる?」
「いるけど・・・」
「じゃあサッカー部?」
友理奈は徐々に答えを狭められて知られてしまうのが嫌で
「分からない」と答えた。
「何それ~サッカー部なんでしょ~じゃあ桜井君?志藤君?中村君?拓也?信治?」
「ちょっと亜紀、サッカー部とは言ってないからね」
当てて欲しいような、欲しくないような複雑な心情だった。
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