恋人の始まり

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友理奈はまだ付き合うと決まってない相手を知られてしまったら、上手くいかなかったときにかっこ悪いと思った。 「じゃあさイニシャル教えて!」 「え~、それ言ったらほとんど分かっちゃうじゃん!」 二人は同時に笑った。 友理奈はもっと自分の恋愛話を話したい気持ちと、相手が剛史だと知られたくない気持ちが同時にあった。 二人は溶けた氷まで飲んで、ブヨブヨになった紙コップをゴミ箱に捨てた。 店を出て駅に向かう。 亜紀が定期を探してかばんの中をがさごそとかき回している間に、覚悟したように言った。 「あのね、剛史なんだ」
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