恋人の始まり

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剛史は、授業が終わってすぐユニフォームに着替えると、友理奈がよくいる校庭の日陰に向かった。 友理奈がいるのが遠くからでも分かる。 長い髪を左に一つにまとめていた。 こっちを向いてくれたら自然に話せるのに・・ 剛史は少しずつ近づきながらチャンスを待った。 亜紀が先に気付く。 「剛史~!」 剛史は必死に動揺を隠したが、顔は真っ赤だった。 友理奈も驚いて振り向く。 「あ、部活は?」 友理奈は動揺を見せずに自然に話すのが得意だ。 「おー行くよ、これから」 この後に「じゃあ頑張って」と言えば会話が終わって剛史は行ってしまう。 でもここから話も見つからない。 「何時から?」 とっさにどうでもいい質問を思いついて聞いた。 「あ~、、もう行くけど。あの、、それとあと・・・」 「なに?」 「帰り待っててくんね?」 「ん、うん」 友理奈は迷わずに答えた。 「じゃあ後で」 ほっとしたように剛史は手をあげて背中を向け走り出した。 亜紀が友理奈をいたずらっぽく見る。 友理奈ははにかんだ。
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