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待ち合わせの場所は校門だった。
校門での待ち合わせは、彼氏彼女がいる男女のステータスだった。
先に来ていた友理奈は、うつむきながらやってくる剛史に手を振った。
「お疲れさま」
「待った?ごめん」
「全然」
二人は自然と駅に向かう。こないだのようにベンチで電車を待っていた。
「何かさ、俺部活ばっかりじゃん?たまにお前と話すと新鮮だよ」
「そうなんだ、でも私もほとんど亜紀といるから剛史といると新鮮な感じする」
電車に乗ったが、意識しすぎて二人は会話がはずまない。
少し顔を友理奈に向けて、うつむいたまま何の脈絡もなく剛史が切り出す。
「友理奈、あのさ・・・俺と付き合って欲しい」
一瞬何を言っているのか分からなかった。
付き合って、なんて初めて言われた。
告白の予感を感じていた友理奈だったが、驚いて剛史の方をゆっくり見た。
剛史は、見て見ぬふりをしてあげたいくらいに顔が赤かった。
「うん」
剛史にはっきり聞こえるように大きめの声で答えた。
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