ラブモーション

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大宮始発の京浜東北線は必ず座れたので、二人はホームのベンチで始発を待った。 男子と帰るなんて初めてだったので、内心は緊張していたが必死でそうでないふりをした。 「今日、体育があったから日焼けしたみたい」 剛史は白い肌が赤らんだ友理奈の頬を覗き込むように見た。 「そういえば少し赤くなったな、でもいいじゃん、そんなに目立たねえよ」 ぶっきらぼうに言った。 「そう?良かった」 剛史が励まそうとして言ったのが分かったので、わざとオーバーに嬉しそうに言った。 始発電車の扉が開き、二人はすぐに乗り込んだ。 揺れる電車の窓に、二人が並んで座る姿が見えると恥ずかしいような嬉しいような気持ちになった。 窓越しに剛史と目があった。 剛史はすぐ右上の中吊り広告に目をやった。 乗客がちらちらこちらを見る。 制服だから目立つのかもしれない。 浦和駅に着いて、電車がホームにゆっくりと密着しようとする頃、ゆっくり立ち上がる。 「じゃあ浦和だから」 「おう気をつけて帰れよ」 二人は一瞬だけ見つめ合ってお互いに手を振った。 それだけの時間でも、胸が高鳴った。
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