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「初めまして、闇野です。今回は契約更新に来られたんですよね?」
「ええ。そちらから連絡があったので。」
奈帆が敵意剥き出しで話す。
「うふふ、そんなに怖い顔しないでくださいな。」
闇野が表面上の笑みを浮かべる。
白い肌に赤い唇、肩まで伸ばされた髪が揺れる。
それなりに美人なのだが何故か近寄りがたい雰囲気が漂っていた。
「さて、契約更新の《試験》があるのはご存じですか?」
闇野が紅茶を飲みながら聞く。
「一応、聞いてはいますけど。」
「それじゃあ、筆記試験があるのはご存じですよね。今回の試験範囲は〔神道による大祓詞と大祓詞の簡略形の種類判別〕と〔鎮魂帰神法〕についてと〔ケルトの妖精〕についてです。よろしいでしょうか?」
「ええ、わかりました。」
「では、2週間後の午前0時にまたお会いしましょう。楽しみにしてますわ。」
闇野が淡く笑った。
「じゃあ、失礼します。」
軽く頭を下げて、奈帆は部屋を後にした。
「随分と可愛い魔女さんでしたこと……。」
闇野がクスクス、と笑った。
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