第一幕 [片腕の人形師]

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「ニコロフが王政に取り入って何とかしてもらおうとしてるのさ。」 「でも、アルトとかいう人とその後ろの大勢は、そんなの待ってられない、という感じですか。」 「そうゆうことだよ。だから、あんたも早くこの村から出て行きな。」 「そうですね~。」 のほほ~んと男は言う。 本当に自分には関係ないといった感じだ。 「まぁ、2~3日したら出ていきますよ。」 「好きにしな。」 それからしばらく二人は無言で喧噪を聞ていた。 「感情的になるな、アルト!」 「臆病風に吹かれた奴が、偉そうな事を言うな!!」 「臆病風なんかじゃない!今特攻を仕掛けても無駄死にするだけなんだ!!もう少しだけ待ってくれ!」 「そう言うのを臆病風って言うんだよ!」 遂にアルトがニコロフ胸倉を掴む。 「待ってどうなる、お前のする事なんざぁ大方、税金を緩くするぐらいの事だろ!?」  「………」 ニコロフは、押し黙る。どうやら図星だったらしい。 「図星か。……いいかニコロフ?もう事態はそんなことでどうにかなる状態じゃあねぇんだよ!?」 だんだんと語気が荒くなるアルト。 その声には隠しきれない怒りが滲み出ていた。
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