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「ニコロフが王政に取り入って何とかしてもらおうとしてるのさ。」
「でも、アルトとかいう人とその後ろの大勢は、そんなの待ってられない、という感じですか。」
「そうゆうことだよ。だから、あんたも早くこの村から出て行きな。」
「そうですね~。」
のほほ~んと男は言う。
本当に自分には関係ないといった感じだ。
「まぁ、2~3日したら出ていきますよ。」
「好きにしな。」
それからしばらく二人は無言で喧噪を聞ていた。
「感情的になるな、アルト!」
「臆病風に吹かれた奴が、偉そうな事を言うな!!」
「臆病風なんかじゃない!今特攻を仕掛けても無駄死にするだけなんだ!!もう少しだけ待ってくれ!」
「そう言うのを臆病風って言うんだよ!」
遂にアルトがニコロフ胸倉を掴む。
「待ってどうなる、お前のする事なんざぁ大方、税金を緩くするぐらいの事だろ!?」
「………」
ニコロフは、押し黙る。どうやら図星だったらしい。
「図星か。……いいかニコロフ?もう事態はそんなことでどうにかなる状態じゃあねぇんだよ!?」
だんだんと語気が荒くなるアルト。
その声には隠しきれない怒りが滲み出ていた。
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