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マヌケな声で水を要求した男を取りあえず無害と判断したのか客達は議論を再開する
しかし、そこに先程の喧騒はなく、何かを警戒しながら議論する様子は議論と言うよりは密談であった
「…………。」
そんな町人達を横目で見ていると、カウンターで唯一話に参加していない婆さんが話し掛けてきた
「…こんな何も無い町に観光かい?」
愛想が無いなと何となく思いながら返す
「いや、この町に寄ったのはたまたまだよ。」
「……そうかい。」
少しがっかりしたように返した婆さんに違和感を覚えつつ次は男が質問する
「……この辺に宿はあるかな?」
締まりの無い顔で言う男にため息をつきながら言う
「宿ならここだが、あまり長居はオススメしないよ」
「……なぜ?」
「………」
躊躇ったそぶりをみせたが話し出そうと口を開く
「この町は近いうちに……」
「やめろよ、婆ちゃん!」
突然、第三者の乱入の声が響いた
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