6人が本棚に入れています
本棚に追加
梓「どうですか?」
柳「ああ…とても美味い…」梓「良かった…。
それ、私が作ったんです」柳「ほう…。
梓はいい嫁になるだろうな…」
梓「お世辞を言われても嬉しくありませんよ」
そう梓は言うが、顔が少し嬉しそうだ。
柳「そうか?」
梓「それに…私は団子しか上手く作れないんです」
柳「……」
その時、部屋の障子が開いた。
そこにいたのは、梓の父と梓の母と思われる男女。
とても優しそうな顔付きをしていた。
梓父「柳さん、調子はどうですか?」
柳「ああ…。
大分よくなった。
礼を言う」
梓母「そんな礼だなんて…」梓父「ところで…
柳さんは人斬りなんかじゃ…
ごぜぇませんよね?」
柳「!!」
梓「お父さん!!
柳さんが人斬りな訳がないでしょう!?
柳さん、お気を悪くされましたか?」
柳「いや…」
梓父「梓、お前が前に好いた人は人斬りだったろう!あいつは私達の事を利用しただけだった!
その事で私達は幕府から目をつけられているんだぞ!?」
柳はその人斬りに心当たりがあった。
その人斬りの名は縁(エニシ)。縁は平気で人を利用する。柳も利用されそうになった事がある。
まさか縁が…?
梓母「あいつなんて…縁なんて…」
.
最初のコメントを投稿しよう!