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「策くん…お母さんが迎えに来たわよ!みんなにさよならしよっか!」
先生…俺がしようとしてた事を先に言わないで下さいよ!?まぁ、これで心が固まったよ。ありがとね、先生。最後の最後でいい働きでした。
「なぁ、みんな…いわなきゃいけないことがあるん、だ」
「…」
誰も何も言わない。やはり、知っているだな…最後で裏切りかよ。
「んとよ…俺、ヒッコすんだ!バショはしらないけど、たぶんすんごくとおい…」
「しってる」
一郎太が沈黙を破ってくれた。ありがとう。
「いつから…しってたの?」
こんなこと聞く必要ないよな。
「いっしゅうかん前だよ…」
佳衣ちゃん、ありがとう。
だから、君が大好きだった…
「こんな俺…ムカつくよね?」
少しの沈黙…
「そん、な…こと、ないよ。今ちゃんと、おしえてくれたじゃん!」
佳衣の目に、涙が溜まっていた。体は少し震えていた…
「佳衣ちゃんのいうとおりだ!お前はじぇんじぇん、わるくない!」
ナイスフォロー、一郎太。一生そのままの人でいてくれよ。
「策くーん!お母さんが待ってるよ?」
先生の言葉が俺達を引き離した。
「ごめんね、みんな…」
謝ることしかできない。それ以外のことは、何一つできない。
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