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佳衣ちゃん、一郎太、そして俺。
涙で、二人の顔が見えない。
赤い空が、ぼやけてる…
綺麗な、赤い色が、光が、眩しい。
「それじゃあ…いくね」
「いつか、いつかまたあえるよ…ね?じぇったいできるよね?」
佳衣ちゃんの願いは、ほぼ無理だろう。なぜなら、“遠い”から。
「うん…いつか、あえるさ」
“嘘”だよ、ごめんね。
「また、しゃんにんであえたら、またあそぼうぜ!」
「あぁ」
俺は後ろを向き、ゆっくりゆっくりと、一歩ずつ歩き出した。
悔しくて、情けなくて、悲しくて、怖くて…
みんながいたから、こうしている。みんながいなかったら…
「ケッコンするってやくそく、わすれないでねー!かならずだよー!」
「俺をわすれんなよー!」
後ろを見ないことを決めた。誓ったんだ。
だから、手を振った。
車に乗ってからも…
さようなら、みんな…
いつか、会えるまで…
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