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その良郎が今、俺の目の前にいる。
会いたい、けど会いたくなかった人。
「孝介」
久しぶりだ。
名前で呼ばれるのは。
幼かったあの頃の面影などない。
すっかり声変わりして低くなったその声が確かめるように俺の名を呼んだ。
「ここで待ってて。」
良郎はそう言って1枚の紙を俺に渡した。
今一人暮らしをしていて、バイト先のすぐ近くらしい。
紙に書いてあったのは家までの地図だった。
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