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「お前の血…美味いな…」
「え…?」
南千は噛まれた手首をもう片方の手で抑え、男の子が言っている言葉に対して聞き返す事しか出来なかった。
「…気に入った…お前を俺の餌としてやる。」
「…はぁ?」
南千は少しずつ落ち着いてきたのか、今起こっている状況をちょっとずつ理解していった。
そして自分がおかれている場所を完璧に理解した頃には南千の顔は真っ青になっていた。
「餌って…君…」
「人間界では“吸血鬼”とでも言うのかな…?」
「吸血鬼……本でしか見たり読んだりした事のない…き、吸血鬼!?」
慌てふためく南千を横目にその吸血鬼だと言う男の子はふぅとため息をついた。
「そうだって言ってるだろ」
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