優しい少年

3/5
前へ
/51ページ
次へ
立ち止まったままの打ち止めに、人がぶつかる。転びそうになった彼女を受け止める人物がいた。 「大丈夫?」 それは少年だった。見た目は十二歳程度、緑がかった黒髪に灰色の瞳の、わりと整った容姿の持ち主だ。 「大丈夫?どこかぶつけた?」 少年の再びの呼び掛けに、打ち止めは慌てて反応する。 「大丈夫、どこもぶつけてないよ、ってミサカはミサカはノーダメージをアピールしてみる」 腕を大きく振る打ち止めに、少年はあからさまにホッとしてみせる。 「良かった。女の子が怪我したら大変だもんね。しかも君みたいに可愛い子が」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

374人が本棚に入れています
本棚に追加