風紀委員と恋敵

7/8
前へ
/51ページ
次へ
「……しまったですの」 他の奴らは捕まえても、リーダーを逃がしてしまった。白井は自分の失敗に困り果てる。 「只の不良には見えませんでしたね」 レベル4の『念動力』で戦っていた海原が言う。 「只の不良でないなら尚のこと、放っておけませんわ」 「確かにそうですけどね。ああいうのは、専門家に任せたほうが良いと思いますよ」 「専門家………ですの?」 「ええ。ですから僕達は表通りの騒ぎを静めに行きましょう」 空き地を出るとき、海原は振り向き、誰もいない空間に呟く。 「………任せていいですよね?」 それは同じ人を想う、もうひとりの自分に向けた言葉だった。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

374人が本棚に入れています
本棚に追加