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「……しまったですの」
他の奴らは捕まえても、リーダーを逃がしてしまった。白井は自分の失敗に困り果てる。
「只の不良には見えませんでしたね」
レベル4の『念動力』で戦っていた海原が言う。
「只の不良でないなら尚のこと、放っておけませんわ」
「確かにそうですけどね。ああいうのは、専門家に任せたほうが良いと思いますよ」
「専門家………ですの?」
「ええ。ですから僕達は表通りの騒ぎを静めに行きましょう」
空き地を出るとき、海原は振り向き、誰もいない空間に呟く。
「………任せていいですよね?」
それは同じ人を想う、もうひとりの自分に向けた言葉だった。
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