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百合は、今年も相変わらず友人とのクリスマスを過ごしていた。
「独り身同盟イエーイっ」
早紀は、百合の中学からの親友だ。
「あんたいつまでその"席"空けとくつもりよ?」
"彼氏"のことだ。
「いいじゃない別に」
シャンパンを一口含む。
「早紀こそ」
「あたしは」
苺をつまみ、
「良いのよ」
頬張る。
「何が良いのよ」
それを見て笑う百合。
毎年のことなのに、なぜか笑い合うこの場がやけに虚しかった。
(…忘れられない)
強い想いが、百合をあの日から放さない様でもあった。
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