アイタイ

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「なに?とりあえず風呂沸かすか?お前冷えきってるし、マジで風邪ひきかねない…」 浜田はそう言いながら玄関の鍵を締め、静かな部屋に音が響いた。 俺は浜田の方へ向き直り言葉を発した。 「おかえり」 俺の言葉に浜田はキョトンとした。 「はぁ?はは、何言ってんだ泉…ってうわぁ…!」 いつもなら絶対こんなことしないのに。 俺は浜田にそっと抱きついた。 多分今日俺おかしいんだ。こんなに寒いのにコートも着ないで浜田ん家なんか来て。何時間も待って。 「い、いずみ??」 ほら、浜田だって驚いてる。 「おかえり」 俺はもう一度そう繰り返す。 「泉?」 名前を呼ばれても俺は返事をせず、抱きついたまま離れなかった。 くすっと笑う声が聞こえたと思ったら、そっと背中にに腕が回された。 「ただいま」 浜田はそう言って俺を抱き締める腕に力を込めた。 暖かい。 浜田に抱き締められると落ち着く。 なんだろな、この安心感。 この腕はいつまで俺を抱き締めてくれるだろうか。 いつまで俺の傍にいてくれるだろうか。 そう思ったら、無性に会いたくなったんだ。
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