僕等はここから

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「理紅(リク)ぅー!こっちこっち!」 駅に着くと、タクシー乗り場のベンチにニット帽を被った歩が居た。 「歩!……あれ?」 否、歩と複数の人間が一緒に居た。 歩を含めて5人。同い年くらいの少年少女だ。じいっと、興味深そうにこちらを見ている。 私は早足にベンチに近付く。 「歩。この人達は?」 私も彼等を見回す。途端に視線を逸らされる。…一体何なんだ。 「ああ、こいつらは近所の友達!理紅も一緒に遊ぼう?」 え、と私は呟く。 遊ぶなんて聞いてないし、他者が居るとも聞いていなかった。 彼等は冷ややかな目で私を見つめている。 赤縁眼鏡を掛けたストレートヘアーの鋭そうな少女に、ボサボサ頭にパーカーを被った小柄な少女。耳にヘッドフォンを着けて相槌を打っている少年に黒縁の眼鏡を掛けた背の高い青年。 どうも、友達になれそうにない。 「ダメ?」 うるうると歩が私を見上げた。やめてくれ、私はソレに弱いのだ。 「いや、いいけど…彼女達は…?」 「え?そんなの良いに決まってんじゃん!ねえみんな?」 うんうん、と彼等が適当に頷く。本当に、この人達は何なんだ…。 とりあえず合うか合わないかは別として、悪い性格の連中ではなさそうだ。 「分かったわよ…。」 私はおずおずと、彼等の輪の中に入っていった…。
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