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「あのぉ……、隣の部屋の
シドウ
志藤っちゅーもんですが……」
「あぁーあ、お隣のぉ。ちょーっと待っててねぇ。今 開けるわ」
玄関の鍵を外す音がする。
ガチャッとドアを開け、きれいな顔立ちをした青年が、ひょっこりと顔を出した。
「はぁあ~~い。お元気ぃ? どうしたの、突然?」
──驚くなかれ。
彼は、オカマである……。
「あ、あのですね……。私この度、大阪に帰ることになりまして……。最後のご挨拶に伺いました」
「まぁー、そうなの? 寂しいわあ、残念ねぇ。わざわざありがとう。あッ! まあ、立ち話もなんだし、入りなさいよ。隣に住んでるのに、ろくに話したことなかったじゃない? あたしたち。最後くらい、お話してきましょうよ」
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