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  クスクスと愉快そうに笑って言う彼に、私は顔が赤くなるのがわかった。 「すっ、すみません……」 小さくなって、小さく呟く。 彼は、そんな私を見てますます楽しそうに、 「しかも、極めつけに『遅刻だぁー!』つって、家 飛び出していくんだもの。いつの時代の少女マンガかと思ったわよ。しかもご丁寧に、口に食パンまで食わえて」 「あっ、あう……」 カァーッと、体の熱が上昇する。 恥ずかしい。 そんな、アホな私生活を見られていただなんて──。 「うふふ。まあ、ウケてたからいいんだけどね」 頬杖をついて、ニコニコという彼。 この人、絶対Sや……。 私は、こっそりと思った。  
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