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俺はちっちゃいガキの頃からずっと夢をみている
今となってはかなう事のないその夢は…
病室の白い壁に遺されたまんまだ
肌寒い秋の風と共に貴女を連れて逝きたい。
貴女はとても優しいね…
無限大に広がる夢を両手にあふれんばかりもって逝きたい。
誰もが歩む人生の中で俺は少し病んでしまっただけさ。
決して治らない病だけど
貴女にはそんな哀しい顔をしないで欲しい
この虚しい秋の風と共に貴女を道連れにしたい…
貴女はとても優しい人…
信じてほしい
この世が偽りでも
あぁそろそろ時が近い
日の出と共に逝きたい…
ずっと、ずっと
優しい貴女の笑顔やぬくもりに触れていたい
あぁ時間だ…
死が僕を迎えにきた
視界が霞んでゆくけれど
だけど、瞼を閉ざさないで欲しい
貴女も聞こえるだろ?
もうあの世が呼んでいるよ。
かわいた死の風と共に貴女も連れて逝きたい
とても愛しい貴女を、
限り無く広がる夢を、
この両手いっぱいに掴んで…
僕は逝きたい日の出と共に…
僕は飛びたい日の出と共に…
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