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何故か今日獄寺はツナの迎えに来なかった。ツナ曰くメールが来て先に行ってて欲しいと書かれていたらしい。真っ先に言いたかった俺としては少し拍子抜けした気分と同時にやっぱりツナに嫉妬してしまう。俺にも連絡くれりゃあいいのに。ちなみに俺からは今回ばかりは驚かせたくて誕生日メールはしていない。
三限の休み時間、獄寺が来た。
少し肌が何時もより青白く見えたのは気のせいだろう。
ざわめく教室内につかつかと真っ先に俺とツナの元に歩いてきた獄寺。…本当はツナ目当てに来てるだけなんだけど。
俺には見せないような無邪気な笑みでツナに話しかける。
「おはようございます、十代目!」
「おはよう獄寺君、今日遅かったけど…大丈夫?」
「ちょっと色々ありまして…でも全然平気ッスから!」
会話をする二人に乗り遅れた様にぼーっとしていたのは獄寺のさっき見えた気がした青白さが錯覚で無いか確かめる為で。何時もなら何が何でも割り込みするように会話に入る俺が呆けていた事に獄寺が先に気づいたのか訝しげに俺の顔を見遣ってきた。碧色の透き通った瞳が俺を射抜く。
「そうだ、獄寺君お誕生日おめでとう!」
…あ。
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