D18 *1.幸せの小鳥

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応接室。 それが自分のテリトリーであり 自分がよく居座る場所。   今日も何かの書類を トントンと整理しながら 端麗な顔の風紀委員長 雲雀恭弥は紙の一枚を おもむろに取った。 文を読む度に右から左へ 移る視線。目を細めると その紙を置き椅子の背に もたれかかった。   何時もは締め切った窓が 今日は少しだけ空いたまま。 雲雀はじっと窓を見つめ 小さい来訪者を待つ。 何かを予期したのだろうか その窓の隙間から小さい 黄色い丸い小鳥が入ってきた。 緩く口角をあげると その小鳥を迎え入れる。   「やぁ、よく来たね」   雲雀の上機嫌に気づいたか 小鳥は雲雀の肩へと落ち着く。 その小鳥に手を差し伸べて 優しく片手におくと 自分の机の上にそっと乗せた。   「…そういえば」   思い出したかのように ふっと呟き小さい小鳥を 見つめ頬杖をつく。    
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