14章 突きつけられた真実(下)

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その時、瑠璃は散々ワガママを言ってみんなを困らせたのよ。 でも、だからせめて最後の思い出を作ろうって決めたの。 二つの家族が共同でキャンプに行くことになった。 でもね、そのキャンプで悲劇が起こったの。 上流で激しく降った雨が、瑠璃と司君が泳いでいた川を増水させて溺れそうになった。 ―――「溺れそうに…」 お母さんの話で、私の脳内にいろんな記憶の断片が映し出された。 ―――「ほら瑠璃、ちゃんとカメラを見るんだぞ」 「うん」 「雫もほら」 「わかってるよう」 「よし、うまく撮れたかな?」 「心配ないでしょ」
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