14章 突きつけられた真実(下)

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時は流れる。 私がどんなに望んだとしても、もう戻れないんだ。 ううん、違う。 私はもう戻りたいとは思ってない。 いくつもの過去がきっと、今の私の形を作り上げてるんだ。 だから過去を受け止めよう。 どんな思い出も、全部私の中へ。 ―――お前はこの町に生まれた。 お母さんとあの人の子供、雫の妹、瑠璃。 この町に来て間もなかったお母さん達は、周りにあまり親しい人もいなかった。 でも、瑠璃が友達になったある男の子がいたの。 名前は『飯田司』。 瑠璃が毎日その子と遊ぶものだから、お母さん達も司君の両親と度々話したりするようになってね、気付けばいつの間にか家族ぐるみの付き合いになっていったの。 でもね、司君のお父さんの転勤で司君達は引っ越すことになって…。
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