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時は流れる。
私がどんなに望んだとしても、もう戻れないんだ。
ううん、違う。
私はもう戻りたいとは思ってない。
いくつもの過去がきっと、今の私の形を作り上げてるんだ。
だから過去を受け止めよう。
どんな思い出も、全部私の中へ。
―――お前はこの町に生まれた。
お母さんとあの人の子供、雫の妹、瑠璃。
この町に来て間もなかったお母さん達は、周りにあまり親しい人もいなかった。
でも、瑠璃が友達になったある男の子がいたの。
名前は『飯田司』。
瑠璃が毎日その子と遊ぶものだから、お母さん達も司君の両親と度々話したりするようになってね、気付けばいつの間にか家族ぐるみの付き合いになっていったの。
でもね、司君のお父さんの転勤で司君達は引っ越すことになって…。
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