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「な、なにわらってんだよ!」
「あ、ごめん…。でも、ありがと…」
それは私の本心だった。彼がいてくれてよかった。
もしも司と出会えなかったらきっと今も私は一人だったに違いない。
私のありがとうの言葉に彼はさらに顔を赤く染めた。
「そ、そうだ、ここ…おれたちがであったばしょだな」
―――始まりの場所はあそこ。
私と彼が初めて出会った場所。
潮鷺公園。
私はそこへ向かった。
確証はない。だけど、そこしかないって思えた。
ひたすらに向かう。
がむしゃらに。
潮鷺公園はすぐに見えた。
周りを人工的に植えられた木で覆われてる公園。
思えばすぐ近くにあるこの公園に立ち寄る事は滅多にない。
それは私の心のどこかで、この公園にいた事を思い出したくなかったからなのかもしれない。
公園の出入り口となっている整備された道を抜け、子供達が今でも遊びほうけている公園内に足を踏み入れた。
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