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砂場や滑り台、登り棒やらジャングルジム、木造のアスレチックが設置されている。
そこら中を見渡すように彼の姿を探すが、彼らしい姿を見つける事は出来なかった。
「ここじゃない…?」
いや…
私は公園の端にある古ぼけたブランコの元へ近寄る。
「誰も使ってないんだね、このブランコ」
それは私が子供の頃、よく使っていたブランコだ。
今は他の場所に新しいブランコが設置され、子供達はそこで遊んでいた。
私は古ぼけたそのブランコに座る。
今年と12年前の花火大会の夜に司と一緒にいたのも、そして私が司と初めて出会った場所もここだ。
私はそのブランコに腰掛けた。
いつものように、決してこがずに。
蝉がうるさいくらいに鳴き声を上げて、夏の暑さを一層盛り上げている。
こんな昼下がりの公園に、制服姿の女子高生が一人ブランコに乗っているなんて、端から見たら変人なのかもしれない。
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