最終章 私とあなたの七日間

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彼と歩く町並みは、いつもよりも新鮮なものに見えた。 「あっちぃ~なぁ…12年前もこんなに暑かったっけ?」 「さすがにあの頃の気温なんか覚えてないよ」 「そりゃそうだな。ガキの頃は暑さなんて関係なかったしな」 「まぁ、あんたはいつも元気だったね」 「元気があれば何でも出来る…ってな!」 「はぁ…司も変わらないね。12年前のあの頃と…」 「そうだろな。あっ、アイス売ってる!アイス食おうぜ!」 そう言って彼はアイスの詰め込まれたクーラーボックスへ食らいついた。 例のごとく、彼が今回も私の分のアイスを購入する。 「はい、お前はこれ」 とろけるチョコバー~味の三重奏~ 渡されたアイスは私の好きなチョコアイス。 昔、司とよくアイス買って食べたりしたっけ。 私はいつもチョコアイスしか食べなかった。 「あ、ありがと…」 「お前チョコアイスしか食わないもんな」
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