最終章 私とあなたの七日間

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「い、今はそんなことない!」 「じゃあチョコアイス嫌いになった?」 「ううん…」 「ははっ変わってねーじゃん!」 民家がひたすら建ち並ぶ道を、アイスを頬張りながら進む。 「ちょっと寄り道」 「え?あっ!」 司が私の手を握り、強引に連れてゆく。 「ちょっ!どこへ行くのよ!」 「いいだろ、ちょっと付き合えよ」 海と真逆の方向へ私たちは向かっていた。 彼に進路を委ね、私は彼に連れられるがまま手を引かれる。 夏休みに入ったばかりの町並みは、平然と相変わらずにいつもの風景を作り上げている。 度々民家から聞こえる風鈴の音が、今が夏である事を実感させる。 田舎町。私の愛する町。 彼と歩く道。 ごみ箱を漁るカラス、カラスを狙う野良猫。 重荷を運ぶ蟻の行列。 せわしく鳴き続ける蝉時雨。 水かけをして遊ぶ子供達。 日に焼け始めた私の肌。
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