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小さなシャベルで穴を掘る私と彼。
体中土まみれになっても構わず掘り続けた。
目の前に立ちはだかる、ため息が出てしまうほど大きな木。
緑の葉をこぼれ落ちそうな程つけ、根は岬の端にまで張り巡らされていた。
そんな根と根の間に小さな穴が開く。
「よし!できた!」
汗と土にまみれた彼は、額を小さく拭うと笑顔を見せた。
「いれよう!」
「うん!」
司が家から持ってきたアルミの入れ物を、私たちは穴の中へと下ろす。
その上から土をかぶせて完全に埋め終えると彼は言った。
「やくそくだぞ。これはおれたちがおとなになったとき…18さいになったときにひらくんだ」
「むかえにきてくれるの…?」
「あぁ…やくそくはまもる。ぜったいむかえにくるから…」
ぜったい…
―――「レッツゴーサチオマン、悪をうち砕けぇ~、ファイトオーサチオマン、正義を貫くんだぁ~…スパーキン!」
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