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掘り続ける石が堅い物にぶつかり、私たちは顔を見合う。
互いに笑顔になり、私たちは邪魔な土を残らず取り除く。
気付けば手は土に汚れ、額からは熱い汗が流れ落ちていた。
「よし、引っ張り出すぞ」
彼がそれを土の中から引き上げる。
随分土に汚れ、それがかつてアルミの箱だったようにも見えない。
「12年もたつとこんなになっちゃうんだ」
「中身が平気ならいいけど」
「開けてみよう」
彼がその箱の端に手を添えて、そしてその蓋を解き放つ。
―――「できた!」
「よし、このはこのなかにいれるんだ」
私たちの前に置かれたアルミ製の箱。箱と言うより、缶と言った方が正しい。
私はそれに紙を入れる。
彼も同じように紙を入れ、そしてもう一つ…
「いいか?このはこをあけるのはおれたちが18さいになったときだぞ?」
「うん」
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