最終章 私とあなたの七日間

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あの日、あの激しすぎる濁流から守ってくれたのはお父さんと司だ。 私の命の恩人の一人なんだ。 「こんな…ボロボロの…約束を…守ってくれて…ありがとう…。迎えに…来てくれて…ありがとう…」 生温い風が吹き抜ける。 夏の匂いが混じる風。 「瑠璃…いつでも見守ってるから…。進もう…」 繋がれた手が離れる。 「この一歩は新しい一歩…新しい明日へ繋がる一歩だ…」 私はその右足を一歩前に踏み出す。 「さようなら…司…」 その時、彼の視線を感じた。 その視線は彼であって、でも今の彼のものじゃない。 遙か昔、彼が幼い時のあの視線によく似ていた。 太陽は西の彼方に消えてゆく。 空には微かに幾千もの星が顔を出し始めていた。 私は振り返らない。 向かう先は明日。 まだ見えぬ未来への道。 私は進もう。 彼は側で私を見守ってくれている。
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