エピローグ 時の面影

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お盆。暑さは絶頂。 私は一人道を歩く。 奇跡の一週間から一ヶ月近くがたとうとしていた。 夏休みのせいで、日にちの感覚が鈍感になってきている気がする。 空を見上げれば青い空。 暑さは容赦なく私の体の水分を奪い去ってゆく。 「あつ~」 げんなりするくらいの暑さの中、私には向かう場所があった。 今まで一度も行かなかった場所だ。 賢人は今、部活に参加しに学校へ行ってる。 部活は終わっているんだけど、彼は体を動かしたいらしい。 だからたまに部活に出て体力作りをしているのだ。 私の彼氏である。 今日も私の用が済んで、彼の部活が終わってからデートだ。 あの忙しい一週間が過ぎてからは、今まで通りの毎日が始まった。 つまんないと思っていたそんな毎日も今はすごく愛おしい時間だと感じることが出来るのは、側に賢人がいてくれるのと、司が見守っていてくれるからなんじゃないだろうか。
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