エピローグ 時の面影

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なんて、思ったりもする。 お母さんも快復して、今は元気に働いてくれている。 前よりは、自分の体にも気を使っているみたいだ。 華帆と大樹も相変わらずのラブラブっぷりを見せつけていた。 よくも毎回あんなイチャイチャに飽きないなぁって、私からしてみればかなり尊敬してしまう。 「ふぅ~」 気づけば私は目的地に到着した。 さすがにお盆だけあって、チラホラと人の姿は見えるが大した量ではない。 そこは霊園。 潮鷺町の人たちのお墓が立ち並んでいた。 私はその中の一つの前で立ち止まる。 飯田家 「司、久しぶり」 お墓は綺麗で、添えられる花も水を取り替えられてるみたいだ。 線香の残骸も見られる。 「誰か…来たのかな?」 私は線香を焚き、手を合わせる。 12年前に亡くなった友達の元へ、ようやくお墓参りに来るなんて薄情な友達だな。
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