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「いってきます」
僕はそう言い捨てて、木製の扉を開いた。
取り敢えず自己紹介をしておこうかな。
僕の名前はヴァン・ダルク。色素の濃い青い髪をしていて、少しボサボサな髪型。人付合いはあまり得意じゃなくて、両親以外とはあまり会話をしたことがない。
普段は村を囲むようにそびえ立つ山に登って、猪や鹿を狩っている。この村の付近では、あまり魔物が出没しないから僕にとっては快適だ。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
母さんのありきたりな言葉を背に受け、僕は家を出た。
このとき、僕はまったく想像していなかった。これが母さんと交わした最後の言葉になるとは……。
「これでいいかな?」
一匹の仕留めた鹿を背負い、僕はそう呟いていた。
僕は普段人と話さない分、少しだけ独り言が多い。
最近返事が欲しいと思うこともあるけど、友達を作れるほど僕は器用じゃないから、叶わぬ夢だ。
そんな願望に小さく溜息を吐き、僕は中腹まできていた山を下り始めた。
どれくらい歩いたんだろう。
さすがに鹿を背負ったまま一気に山を下るのは厳しいから、少し休憩をすることにした。
手頃な切り株に腰を下ろし、鹿を地面に横たえる。
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