第一章…アナスタシアの産まれた時代と背景

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当時、日本の国家予算が4千万円代の時代でしたから… かなり巨額な買い物をしてた訳なのですが… しかし、この一事でニコライを浪費家と見るのは正しくないです。 彼は日常の家庭生活に於いては、ヘッセン・ダルムシュタット家出身のアレクサンドラの影響で、ドイツ風の極めて質素な暮らしをしていました。 ただし…貴族など上流層の人々は皇帝一家と違っていて、退屈をまぎらわすために、パーティー、コンサート、バレエなどに時間を費やし… 連夜のように開かれる晩餐会も…また贅を極めたものでした。 主宰する会の豪華さを競っていたような感じもありますね。 彼らの間の乾杯は、飲み干すと後ろ向きで暖炉にグラスを放り投げ、上手く割れると幸運の証として喜んでいたみたいです。 しかもそのグラスは…フランスのバカラから輸入した、超高級品が用いられていました。
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