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君がこれを読んでいるということは、きっと僕の望みは叶えられたということだろう。
君は泣いているだろうか。
君の頬をすべり落ちる透明な涙の粒が、目に見えるようだよ。
君は泣き虫だからね。
君の涙は、まるで教会の聖水のように清らかで、僕はいつも正視できなかった。
真昼の太陽を直視するように、僕の目を灼いたから。
はじめて会った瞬間から、君は僕の中に巣くう闇に気付いていたね。
そして君は、最初から最後まで、僕の生い立ちや過去を尋ねようとはしなかったね。
僕がどんなに暗い目で、何をしてもしなくても、責めることもなじることも、何故と訊くこともなく、そのままの僕を受け入れようと努めてくれた。
僕の生い立ち?
過去?
もしかしたら、君は訊きたくてもできなかったのかもしれない。
僕を心のどこかで恐れていたからだろうか。
いや、君のやさしさだったんだろう。
本当はずっと知りたかったのかもしれない。
僕が自発的に語り出すのを、じっと待っていたのかもしれない。
そして最後に、この手紙の中で明かされることを、今、期待しているだろうか。
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