オルゴール 

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  私は少し困った。   今さら… お母さんの形見という実感もない。     その時、玄関の戸が開く音がした。   「ただいま」 継母だ。買い物でもしてきたらしい。   「あら?由以さん久し振りね」   「お邪魔してます」   相変わらず、他人行儀で馴染めない。   「じゃあ、お父さん戴いて帰ります」     私は、逃げるように実家を後にした。   手に持った母のオルゴールが、なんとなく温かかった。     
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