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裕也は、まだ緊張している沙織に喋りかけた。
「生まれは何処なの?顔立ちからして、ここの生まれではないね?」
「岐阜の高山です。田舎って言うか、雪ばっかで。でも今は雪あんまし見れないから淋しい時もありますけど・・・」
「へぇ。今ね俺、トラックに乗ってて岐阜に毎日行ってるよ。高山いいじゃん!ラーメン美味いし、みたらしも最高やんか。」
裕也は一年前に会社を転職し運送業に就いていた。二人は意気投合し岐阜について語り合う。そして、沙織は保育士という職に憧れていることなど語りながら酒を口にした。久々の楽しい酒に少し飲みすぎて酔ってしまった。しばらくして、ママが間を割るようにして入ってきた。
「お二人さん!ラブラブ中にすまんのう!閉店ですので。かっちゃん、六千円払って帰って!」
「早いなぁ、もう零時か。帰りますよ!じゃ沙織ちゃん頑張って!また会いにくるよ。って毎日に近いくらい通ってるけど。」
裕也が扉を開ける瞬間、
「加藤さん有難うございました。今日は世話になっちゃって。」
「いいってことよ。また楽しませてね!じゃ!」
「カラン・・カラン」
裕也は自宅へと帰っていった。
「かっちゃん、いい子やろ?」
ママが、突然切り出してきて沙織は焦りだした。
「えっ、はい。いい人ですね。ママの言う通り、いいお客さんですね。」
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