3人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、沙織はコンビニのバイトが終わると近くのケーキ屋に向かった。昨夜のテレビ番組で、その店がクローズアップされていたらしい。沙織は甘い食物が大好きだったので、ママ達の分も買った。
―ママ、甘いもの好きかな~・・・。聞いとけば良かった。―
と思いつつショートケーキとモンブランを買って一度家に戻った。そして九時になり、二日目を迎えた。
メロンに着き扉を開けると客が一人もいない。ママが一人タバコを吸いながらビールを口にしていた。沙織は思わず、
「今日って、お休みですか?」
ママは、吹き出すように笑いながら、
「失礼やね、客が来ないだけだわよ。たまにあるのよ、こういう日が。あら、沙織ちゃん?手に持ってるのはケーキかしら?」
沙織はカウンターにケーキを置いてフタを開けた。
「昼間のバイトの友達に教えてもらって買ったんですけど・・・」
ママは困ったように、
「私も買ったんよ?しかも種類まで被ってるし!おもろいわ。客の先着5名に食わせたらいいわ。」
沙織はケーキを冷蔵庫にしまった。ふと落ち着くと、ある言葉が自然と出た。
最初のコメントを投稿しよう!