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とある田舎町に一人の男が住んでいた。彼の名前は裕也と言う。見た目は今時の若者とは違い落ち着いた雰囲気を出していて、年からして老けて見える。彼は営業マンで保険の外交員をしていた。この頃は不況の嵐で、一般家庭は削れる出費と言ったら保険しかなく、裕也も契約をなかなか取れずにノルマとの格闘の日々だった。彼は酒が好きで嫌なことがあれば帰っては飲みストレスを発散していた。ある日、繁華街で同僚達と飲んで電車で帰宅しようと乗り込んだ裕也。この日も上司から、
「おい。今月のノルマ全然だな?あと残りわずかだぞ。達成できなかったら自分で判子を押すんだからな?給料減らしたくなかったら取ってこい。」
厳しい言葉をぶつけられ電車の窓から見える夜空を見ながら途方に暮れていた。地元の駅に着き、歩いていると一件のスナックが目に入った。彼は当時まだ21歳でスナックは未経験だった。
「スナックかぁ。こんな所にあったのかぁ。まだ入ったことないし、どんな所か気になるな・・・飲み足りないし。入るか。」
そう心の中でつぶやき店の扉を開けた。
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