君の夢

期待の一人暮らし

「朝よ～？起きなさい！今日でしょ？稲沢行く日。」「もうちょっと寝かせて～・・・やばっ！もうこんな時間。急がなきゃ！」
母の一言に目を覚まし慌てる一人の女性がいた。彼女の名前は沙織と言う。彼女は保母に憧れるが資格を取れる学校が無く、名古屋に行くしかなかった。
「遅いぞ、沙織？引っ越し屋待ってるぞ？」
「目覚まし間違えちゃったの！お父さん悲しまなくていいの？可愛い娘が明日から会えなくなるのよ？」
茶化す沙織に、
「心配しなくても抜き打ちで会いに行くよ。」
「いつまで経っても子離れできないのね～お父さん。」
たじたじの父と心配そうに見つめる母に
「頑張って勉強してくるね！行ってきます！」
淋しさを押し殺し、明るく振る舞い沙織はトラックに乗り込んだ。これから待つ楽しみな生活に楽しみな気持ちを感じつつ、両親が心配だった。