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「いつもお酒にチョコなんですね?」
バーコードをスキャンしながら、彼女から話しかけてくれた。
さりげない上目遣い&ふいを突かれて俺の化けの皮が破られ、真っ赤な頬の自分になりそうになる。
「あぁ、甘党でさ……」
動揺を取り繕うように必死で笑顔を張り付けて、憎めない可愛らしい男――つまり、男の癖に甘党だという事実を少し恥じている自分――という役を演じる。
彼女は小さく笑いながら「ありがとうございます」とレシートを差し出してくるた。
レシートを必ず貰うのは印象づけのため。
その地道な行動が本日、功を奏したようだ。
俺からも何か声を掛けようか…?
躊躇していたら他の客がレジに来てしまった。
少々、名残惜しいが俺は店から出た。
まぁ、総じて見ると本日はかなりの成果があった。
初めて彼女の方から声を掛けてくれたし、確実に俺の事を覚えていてくれた!
これは…かなり…脈があるんじゃないか…?
帰り道の街灯も今日ばかりは俺だけを照らすスポットライト。
時は熟した!!
来週の木曜日
俺は勝負に出る!!!
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