第三章

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「お前達、誰が勝手にグラウンド使って良いといった!」 顧問の先生が遠くでそう叫んだ。 「どうする、渉?」 「気にしたらアカン 続けるんや」 そうして隼斗達は聞こえなかったかの様にキャッチャーを続けた。 「お前等いい加減にしろ! 聞こえてきたない筈無いだろ!」 そう言いながら先生が近付いてきた。 「お言葉ですが先生、このグラウンドはワイ等が整備したんや そんでもって誰もつこーてへん それをつこて何が悪いんでっか?」 渉が先生に反論する。 「一生徒の分際で教師に口答えとはいい度胸だな いいだろう教えてやるよ このグラウンドの使用を許可されているのは野球部の人間だけだ そしてこのグラウンドは学校の所有物だ お前等がいくら念入りに手入れしようともお前等のものにはならないんだよ」 「せやたらワイ等かて野球部員や 使う権利は・・・」 「残念だが俺はお前等二人を野球部員として認めた覚えは無い」 渉の言葉を遮る様に先生がそう言った。
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