第三章

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「はぁ? 何言うてんねん 頑張るんはアンタ等の方やろ ワイ等がどんなに頑張ってもアンタ等が足引っ張ったら勝てる試合も勝てへんっちゅうねん!」 渉が説教っぽくそう言った。 「なっ、何だと!? お前、1年のクセに生意気だぞ!」 さすがに先輩達も怒ってしまった。 「ワイ等はな、甲子園行くんが夢やねん アンタ等みたく地区大会一回戦突破みたいなひっくい志なんぞ持ち合わせておらんちゅうねん!」 渉も一歩も退かない。 「おい、お前はどう思ってるんだ?」 先輩が隼斗に問い掛けた。 「俺は・・・俺も、同じです! 甲子園へ行きたい! 野球は1人だけが上手くても勝てるものじゃありません 俺達にだってまだまだ未熟な所はあります でも、皆練習して上手くなればきっと互いの苦手な所を補う事が出来ると思います コイツも口は悪いですが、考えている事は一緒の筈です お願いします、俺達と一緒に真面目に練習に取り組んでください」 隼斗は精一杯の気持ちを先輩達に伝えた。 「お前等・・・そこまで考えてたのか 正直俺も、他の運動部が毎年全国大会へ出場する中うちの部活だけ万年初戦敗退 いつも惨めで、悔しい想いをしてきた けど、今年はそう想わずに済みそうな気がしてきたよ これから短い間だが、よろしく頼む」 小山部長が隼斗達に手を差し出す。 そして隼斗達は誓いの握手を交わした。
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