第四章

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「何でや、何で誰もけーへんねん!」 渉が遂にキレた。 隼斗も小山部長と交わした約束が段々と疑わしく思えてきた。 「あの小山とか言う奴、実は嘘言うとったんとちゃうか? 本当は勝ち負けなんてどうでもええんちゃう?」 「・・・俺も、俺も少しそんな気がしてきた でもさ、野球は皆でやるスポーツだよ もう少し信じて待とうよ」 「うっ・・・お前がそう言うんやったら・・・ でも後3日が限界や それ以上は待てん」 「わかった 後3日待ってもあの人が来ない様なら渉の好きな様にしていいよ」 渉とそう約束して早くも3日が経った。 相変わらずグラウンドには俺と渉だけだ。 「やっぱりけーへんな、あの部長 残念やけど俺は辞めるで、こんな部活 いつまで経ってもこんな部強ならんわ」 そう言って渉がグラウンドを後にしようとする。
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